更新日:2023年10月02日
お腹のガス抜きに即効性がある対処法は?お腹の張り・圧迫感に効く対処法や予防法を紹介!
監修:内藤 裕二 先生(京都府立医科大学大学院 医学研究科 教授)
INDEX
お腹にガスが溜まると、張りや苦しさ、痛みを感じることもあります。「お腹のガス抜きに即効性がある対処法は?」と思ったことがある方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、お腹のガスが気になる方におすすめの対処方法について紹介します。
お腹にガスが溜まる原因とは?
食事中のおしゃべりのしすぎや早食い
食事中のおしゃべりや、早食いで無意識に空気を飲み込んでしまい、それが原因でお腹にガスが溜まることがあります。体内のガスの約70%は、この無意識に飲み込んだ空気といわれています。
食べすぎや飲みすぎ
暴飲暴食は、腸内の内容物が異常発酵してガスが発生しやすくなること、胃腸の機能が低下しガスの排出能力が低下することで、お腹にガスが溜まりやすくなります。
また、炭酸飲料やビールなどもお腹にガスが溜まりやすくなる原因のひとつといわれています。
食物繊維や脂質の多い食事
豆類やいも類などは、食物繊維が多く、腸内ガスを発生させやすい食品です。食べすぎると腸内にガスが増え、お腹が張ったり、不快感を引き起こしたりすることがあります。
また、脂質の多い食事は消化吸収に時間がかかり、腸が動く力が減少するためガスを排出する力が弱まってしまいます。
慢性的な便秘
便秘により、大腸に便が溜まることで悪玉菌が増えガスが発生します。また、大腸の機能が低下していることが多いため、発生したガスが排出されにくくなり腸内にガスが溜まります。
ストレス
人の腸と脳は深い関わりがあり、腸脳相関システムを通して消化管機能とストレスが結びつき、さまざまな症状を引き起こすことがあります。
そのひとつとして、緊張したときや精神的なストレスを感じたとき、人は無意識のうちに唾を飲み込む動作が増えます。その際に空気を一緒に飲み込むことで、腸にガスが溜まりやすくなるのです。
病気の可能性
お腹のガスが溜まってしまう原因には、病気が隠れている可能性もあります。
お腹のガス溜まりに関連のある疾患
- ・急性胃炎
- ・慢性胃炎
- ・過敏性腸症候群
- ・腸閉塞(イレウス)
- ・肝硬変
- ・肝がん
- ・大腸がん
※これらの疾患は医師の診断が必要です。心配な場合には、早めに医師の診察を受けましょう。
お腹のガス抜きに取り入れたい対処法
つらいお腹のガス溜まりは一刻も早く治したいもの。そこで、手軽にできるお腹のガス抜き方法を紹介します。
お腹のガス抜きが期待できるツボを押す
お腹のガスによる張りや圧迫感がある人は、お腹のツボを押すのもおすすめです。
お腹のガス抜きが期待されるツボ
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① 腹結(ふっけつ)
へその下1.5寸(約4.55センチメートル)の場所にあり、便の停滞に効くといわれているツボです。 -
② 大腸兪(だいちょうゆ)
ウエストラインより少し下の腸骨あたりの高さで、体の中心から左右それぞれ指2本分の位置にあります。大腸の働きを活発にしてガスの排出を促すといわれているツボです。 -
③ 天枢(てんすう)
へその中心から真横、左右それぞれ指2、3本分の位置にあります。胃腸の働きを活発にし、ガスの排出をサポートするといわれているツボです。
ツボを押す際は、痛気持ち良いと感じる程度の強さで、1回6秒程度押しましょう。なお、食事の前後1時間、飲酒時、満腹時、入浴の前後1時間、ケガや腫れ、痛みがある箇所、がんや高血圧の疾患がある人、妊娠中や出産直後などの人は、ツボ押しは控えてください。
お腹のガス抜きが期待できるストレッチをする
ストレッチなどの軽い運動でお腹のガス溜まりが解消できる場合もあります。
お腹のガス抜きが期待されるストレッチ
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① ひざを抱えるポーズ
- あおむけに寝て、片ひざを抱える
- 息を吐きながらひざをお腹に引き寄せる
このとき、太ももを下腹に押しつけ、お尻を持ち上げた状態で腹式呼吸を数回行う。
お腹に圧がかかった状態で腹式呼吸を行うことで腸が刺激され、余分なガスを排出します。布団やベッドの上でも行えるので、起床時や就寝前の習慣として取り入れてみると良いでしょう。 -
② 足の上げ下げストレッチ
- あおむけに寝て、両ひざを伸ばす
- 足を上げたり下げたりする
お腹のガス溜まりにつながる便秘解消を促します。お腹を動かすマッサージと併せて行うと良いでしょう。
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③ 腸ひねりストレッチ
- 両足を肩幅に開いた状態で立ち、右手で左手首をつかむ
- 息をゆっくり吐きながら、上半身を右へひねると共に、両腕を右側に持って行き、10秒間キープする
- 左側も同じように行う
左右6回ずつを1セットとして、朝・昼・夜に行うのがおすすめです。お腹全体を深くねじることにより、圧力がかかって腸に溜まったガスを排出することができます。
お腹を動かすマッサージをする
お腹のガス抜きをするために、お腹に少し圧力をかけるようにマッサージするのもおすすめです。お腹へのマッサージを行うことで、ぜん動運動(腸の内容物を移動させる運動)が活発になり、便通改善やガスの排出に役立ちます。少しぬるめのお風呂でのマッサージが効果的です。
お腹のマッサージ方法2種類
- 大腸の経路に沿って軽くなでるようにマッサージ
- 腸の内容物を直腸に向かって流すように揉む
マッサージを行う際は、力を入れすぎず柔軟かつ丁寧に行いましょう。
セルフケアで改善が見込めないときは病院で診察を受ける
ツボ押しやストレッチなどのセルフケアを試しても改善しない場合や、長期間お腹にガスが溜まっている感覚があったり、苦しさが続いたりする場合は、何か病気が隠れている可能性もあります。主治医に相談するか、内科・消化器科で診察を受けるようにしましょう。
お腹にガスを溜めないために日頃から心がけたいこと
腹八分目で規則正しい食事を摂る
暴飲暴食、不規則な食事はガス溜まりによるお腹の張りなどの症状につながります。腹八分目を意識して、規則正しい時間に食事を摂るように心がけましょう。また、なるべく消化に良い食事を意識することも大切です。
食物繊維を積極的に摂る
ガス溜まりによるお腹の張りや圧迫感を引き起こす原因である便秘を予防するためには、食物繊維を積極的に摂ることも効果的です。
食物繊維には、腸を動かし便通を促す「不溶性食物繊維」と、便をやわらかくして出しやすくする「水溶性食物繊維」があります。この2種類を意識して摂取すると良いでしょう。
不溶性食物繊維は切り干し大根、モロヘイヤ、きくらげ、大豆などが挙げられます。水溶性食物繊維は、海藻類やゴボウなどがあります。
ただし、食物繊維は腸内細菌のエサでもあり、腸内細菌によって分解されるときにガスが発生するため、食物繊維の過剰な摂取はかえって腸内のガスの量を増やしてしまう可能性があります。積極的に食物繊維を摂っているのにお腹のガスが気になるという方は、食物繊維を摂り過ぎていないか自分の食生活を振り返ってみるのも良いかもしれません。
毎日の運動習慣
運動には腸内の善玉菌(有用菌)を増やし、腸のぜん動運動を活発にするという効果があると報告されているため、お腹のガス溜まりや圧迫感を防ぐには、適度な運動を行うことが大切です。
1日30分少し息が上がる程度の運動や、週に3日程度ランニングやサイクリングなどの有酸素運動を習慣化しましょう。
ストレスを溜めない
ストレスが溜まると、お腹の張りや圧迫感が現れやすくなります。これはストレスによって、胃腸の働きに異常が出るためです。
お腹にガスを溜めないためには、日頃からストレスを軽減することが大切です。適度な運動をしたり、十分な休養と睡眠をとると良いでしょう。
市販の整腸剤を使う
食べすぎや飲みすぎ、便秘などによってお腹にガスが溜まって張りや圧迫感がある場合は、腸内細菌のバランスを整えることが大切です。酪酸菌や乳酸菌、ビフィズス菌などが入った、腸内フローラを改善する整腸剤を使うと良いでしょう。
お腹にガスが溜まったら適切な対処を!
お腹にガスが溜まって張りや圧迫感を引き起こす要因はさまざまです。お腹のガスが気になるときは、マッサージやストレッチなどを取り入れてみてください。
また、頻繁にガス溜まりが起こるという場合は生活習慣を見直したり、整腸剤を服用して腸内環境を整えることもおすすめします。ただしセルフケアでの改善が見込めない場合は、疾患の可能性もあるため、気になる場合は医師の診察を受けましょう。
- [参考文献]
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- 「人生を変える賢い腸のつくり方」内藤裕二(著)
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