更新日:2026年01月28日

便秘解消におすすめの飲み物は?あわせて取り入れやすい便秘の対処法も紹介

監修:内藤 裕二 先生(京都府立医科大学大学院 医学研究科 教授/一般社団法人 日本ガットフレイル会議 理事長/日本潰瘍学会理事長)

便秘解消におすすめの飲み物は?あわせて取り入れやすい便秘の対処法も紹介

便秘は、多くの人が悩まされている不調の一つです。その原因には、水分不足や食生活の乱れ、ストレスなど、さまざまな要因による腸内環境の悪化が大きく関係していると考えられています。便秘を解消するためには、生活習慣を見直して腸内環境を改善することが欠かせません。今回は便秘の解消が期待できる「飲み物」に注目し、便秘の主な原因、便秘の解消に役立つとされるおすすめの飲み物、さらに、あわせて取り入れやすい便秘の対処法について詳しく紹介します。

便秘解消に水分摂取が欠かせない理由

便秘になる原因の一つとして、水分不足が挙げられます。ここでは、排便の仕組みと水分の役割、そして日常で意識したい水分摂取量とタイミングについて解説します。

排便の仕組みから見る、水分摂取の大切さ

私たちが食べたものは、消化管を通って消化・吸収され、不要なものが便として排出されます。食べ物が胃に入ると、脊髄に信号が送られ、それを脳が受け取り、今度は脊髄を通じて腸に便を出す準備をするように信号が送られます。これは「胃・結腸反射」と呼ばれており、食事をした後にトイレに行きたくなるのは、この反射が関係しています。
胃で消化された内容物は小腸へ送られ、そこで栄養が吸収された後、残りが大腸へと運ばれます。大腸では水分やミネラルが吸収され、便としての形が整えられます。この便はS状結腸※1に一時的にためられ、胃・結腸反射による信号がきたら、たまった便が直腸へ送られます。そして直腸にあるセンサーによる信号が排便中枢に伝わり、脳が便意を感じます。すると副交感神経が働き、直腸を収縮させて便を押し出し、内肛門括約筋を緩ませて肛門を開くように作用します。
便は水分が70~80%といわれているため、水分が不足すると便が硬くなります。また、便のかさを増やして腸の動きを促す役割を持つ食物繊維も、水分を吸収してふくらむことでその効果を発揮します。そのため、便秘を防ぐためにはしっかりと水分を取ることがとても大切なのです。

  • ※1 S状結腸:大腸の一部で、一般的に左下腹部に位置しS字状に曲がった末端部分のこと

1日の水分摂取量の目安

便秘解消のために水を1日どれくらい飲めばいいのかという明確な基準は定められていません。年齢・性別・体格・活動量・気温などによっても目安は異なりますが、食べ物からの水分も含めて、一般的に1日あたり2~2.5Lの水分を摂ると良いとされています。1日の水分摂取量が極端に少ない場合、特に必要最低限の摂取量である500mLを下回ると、排便量が減少し便秘の症状が現れやすいといわれています。
なお、人の体は、もともと朝に腸の大きなぜん動運動(腸の内容物を先へ先へと運ぶための運動)が起こるようになっています。そのため、便秘解消を目的とする場合は、十分な量の水分を摂取することに加えて、朝起きてすぐにコップ一杯の水を飲むのがおすすめです。朝は胃が空っぽの状態のため、水分を摂取することで胃が下がり、ぜん動運動が促されます。その後に朝食を摂れば、腸が本格的に動き出して便意が現れやすくなるといわれているからです。

水分不足の他に便秘になる原因

便秘は水分不足の他に、日々の食生活や、心理的なストレス、妊娠にともなうホルモンバランスの変化など、さまざまな要因が関わっています。ここではそれぞれの原因を詳しく解説します。

食生活の乱れ

食生活の乱れは、便秘を招く大きな要因です。ダイエットなどで食べる量が少なくなると、「胃・結腸反射」が起きなくなり、便秘になりやすくなります。また多忙できちんとした食事が摂れていなかったり、ファストフード中心の食生活を送っていたりすると、食物繊維の摂取量が不足しがちになってしまいます。食物繊維の摂取が不足すると、便のかさが減少するため、便秘を招きやすくなります。

・腸内細菌の理想的なバランスとは

私たちの腸内には、「腸内細菌」と呼ばれる細菌が、種類ごとに集まって腸の壁に棲みついています。その様子がお花畑のように見えることから、一般的に「腸内フローラ(英語でflora:植物相、植生)」と呼ばれています。腸内細菌は、腸内に約1,000種類・100兆個存在し、「善玉菌(有用菌)」(※以下、善玉菌)、「悪玉菌(有害菌)」(※以下、悪玉菌)、「日和見(ひよりみ)菌」の3種類に分けることができます。

この3種類のバランスが「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」に近づくのが理想とされていますが、食物繊維の摂取量の不足や偏った食生活が続くと、このバランスが崩れて腸内環境が悪化してしまいます。
最近の研究では、善玉菌とされていたものの中にも良い働きをする菌とそうでない菌がいたり、悪玉菌や日和見菌だと思われていたものの中にも、良い働きをする菌がいたりすることがわかっています。さらに、バランスだけでなく腸内細菌の多様性も重要とされています。つまりどれか一つの菌を増やすのではなく、多様な菌を蓄えてバランスを整えることが、便の状態を良くすることにつながるのです。
具体的には、乳酸菌やビフィズス菌など、善玉菌そのものである「プロバイオティクス」を含む食べ物を摂取する方法や、食物繊維やオリゴ糖など腸内の善玉菌のエサとなる「プレバイオティクス」を摂取して、善玉菌を増やす方法などがあります。特に、ヨーグルト、納豆、漬物、キムチなどの発酵食品には、乳酸菌や納豆菌など、善玉菌(プロバイオティクス)が多く含まれています。
またプロバイオティクスとして、乳酸菌やビフィズス菌に加えて近年注目されているのが酪酸菌です。酪酸菌が産生する短鎖脂肪酸の一つである「酪酸」には、大腸のぜん動運動を促進し、便通を良くする働きがあることがわかっています。積極的に摂取したいところですが、酪酸菌はぬか漬けや臭豆腐など、限られた食べ物にしか含まれていないため、普段の食事に取り入れにくいのが難点。そのため、摂取しやすい酪酸菌を配合した整腸剤を活用するのもおすすめです。

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ストレス

ストレスを感じたときに、お腹が痛くなる人も多いのではないでしょうか。実は、腸と脳は「自律神経」という体の働きを調整する神経を介して、お互いに影響し合っています。そのため、ストレスなどで自律神経のバランスが崩れると、腸の動きが鈍くなり、便秘や下痢といった不調が起きることがあります。

運動不足

消化管の動きは体を動かすことで促されるため、運動不足になると腸の働きが悪くなり、便秘が悪化する可能性があります。また、運動不足が続くと自律神経のバランスが乱れやすくなるため、腸の機能が低下することも。習慣的な運動には自律神経のバランスを整える効果があるため、便秘の予防や改善につながると考えられています。

妊娠によるホルモンの影響

妊娠中はプロゲステロンというホルモンの分泌が増加し、大腸の動きが抑制されるため、もともと便秘ではない人も妊娠中は便秘になることがあります。また妊娠が進んだときに大きくなった子宮が腸を圧迫することも、便秘の原因となります。

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便秘を解消したい人におすすめの飲み物

ここでは、便秘を解消したい人におすすめの飲み物を紹介します。

水分の摂取量を増やす:水、白湯

便秘の症状があり、水分が足りていない場合は、まずは水分の摂取量を増やしましょう。その場合は、体を冷やさないように常温の水や白湯を選ぶようにするのがおすすめです。

腸内環境を整える:ココア、牛乳、乳酸菌飲料、甘酒

腸内環境を整える飲み物には、便秘の解消が期待できるものが多くあります。

・ココア

ココアには不溶性食物繊維の一種「リグニン」が豊富に含まれ、排便回数の改善が期待できるとされています。

・牛乳

牛乳に含まれる「乳糖」は、善玉菌のエサとなるプレバイオティクスとして働きます。ただし、乳糖を消化吸収するための酵素が欠乏していることが原因で起こる「乳糖不耐症」があると、乳糖を含む牛乳や乳製品を摂取したときに下痢や吐き気などの症状が現れることがあります。心当たりがある場合は摂取を控え、医療機関に相談するようにしましょう。

・乳酸菌飲料

善玉菌の一種である乳酸菌を含む飲料は、腸内の悪玉菌を減らし、腸内環境を改善することが期待できます。

・甘酒

甘酒には酒粕甘酒と米麹甘酒の2種類があります。酒粕甘酒にはアルコールが含まれていますが、米麹甘酒には含まれていないため、幅広い年代の方や妊娠中の方でも飲むことができます。
米麹甘酒は、麹菌の発酵によって生まれる酵素や代謝産物を多く含み、糖の一種「イソマルトース」がプレバイオティクスとして善玉菌を増やすことが動物実験で確認されており、一定期間の摂取により腸内環境を変化させるといわれています。

腸のぜん動運動を促す:コーヒー、緑茶

・コーヒー

コーヒーには、胃酸の分泌と結腸の運動を促進するホルモンである「ガストリン」の放出を促す働きがあります。

・緑茶

緑茶に含まれる「カテキン」には、善玉菌を増やして悪玉菌を減らし、腸内環境を整える働きがあると報告されています。

便のかさを増やす:スムージー、青汁

便通を良くするためには、食物繊維の十分な摂取が欠かせません。果物や野菜に含まれる食物繊維は、腸内でふくらみ、便のかさを増やして腸を刺激する働きがあります。野菜や果物を液体にしたスムージー、ケールや大麦若葉などを原料にした青汁は、食物繊維を効率的に摂取できるため、便秘の解消に効果的です。
また、食物繊維の中でも腸内で発酵しやすい「高発酵性食物繊維」は、腸内細菌が利用しやすいものとして注目されています。りんごやバナナには、ペクチンなどの高発酵性食物繊維や、食物繊維と同じくプレバイオティクスとして働くオリゴ糖も多く含まれているため、スムージーに加えてみると良いでしょう。なお、りんごは皮付きで食べるのがおすすめです。

飲み物の工夫とあわせて便秘解消に導く方法

ここでは飲み物の工夫とあわせて便秘解消が期待できる方法を紹介します。

腸のマッサージを行う

腸のマッサージにはさまざまなものがありますが、ここでは覚えやすくて簡単な「の」の字を描くようなマッサージ方法を紹介します。

・「の」の字の腸マッサージのやり方

  1. 1.腸の内容物が進む方向に合わせて、「の」の字を描く
  2. 2.左右の脇腹を上下にもむようにする
  3. 3.下腹部を上に押し上げるようにマッサージする

このような「の」の字の腸マッサージをすることで、腸を直接刺激することができます。また血液やリンパ液の流れを良くすることで、腸だけでなく筋肉などにも良い影響があるといわれています。

体を温める

腸の働きにとって「冷え」は大きな敵です。お腹が冷えると血流が滞り、自律神経のバランスが乱れて腸のぜん動運動が鈍くなり、便秘の原因に。カイロを服の上からへその下あたりに貼ると、腸の血流がアップし、自律神経のバランスが整うことで、便秘の解消が期待できます。

適度な運動を行う

運動不足も便秘の原因の一つです。特に適度な有酸素運動は、便秘解消に良い影響を及ぼすといわれているため、ウォーキングやランニングを毎日の生活に取り入れましょう。
便秘解消のために運動をする際は、便を排泄するためのインナーマッスルである「腸腰筋(ちょうようきん)」を意識すると良いでしょう。

腸腰筋は、「大腰筋(だいようきん)」、「小腰筋(しょうようきん)」、「腸骨筋(ちょうこつきん)」という3つの筋肉から成り、腹筋とともに間接的に腸のぜん動運動を助け、腸管内の便の通過を促します。特に「体をひねる」動作を含む運動は腸管を刺激し、腸腰筋を鍛えることもできるので、ヨガやストレッチなども、普段の生活に取り入れるのがおすすめです。

整腸剤やサプリメントを活用する

便秘を改善するためには運動や食生活の見直しが重要ですが、忙しい毎日の中で、食事が偏ってしまったり、運動の時間をとるのが難しかったりすることもあるのではないでしょうか。
特に腸内環境を整えるためには、乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸菌などの善玉菌であるプロバイオティクスの摂取を、日常的に続けることが大切とされています。ただし、酪酸菌のように限られた食品にしか含まれない菌もあり、普段の食事だけで十分に摂取するのは難しい場合もあります。そのときは、乳酸菌や酪酸菌などの善玉菌が配合された整腸剤やサプリメントを活用して、腸内環境を整えるのも一つの方法です。

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日々の工夫の積み重ねで、腸内環境を整えて便秘を解消しよう

便秘を解消するためには、まずは十分な水分補給を心がけましょう。水分が不足すると、排便がスムーズに行われにくくなります。また、運動やマッサージ、冷え対策など、腸の運動を促す工夫を日常生活の中に無理なく取り入れましょう。加えて、食べ物や飲み物から、食物繊維や善玉菌を意識的に摂ることが腸内環境を改善するうえで大切なポイントとなります。普段の食事で補いきれない場合は、整腸剤などを活用するのも一つの手です。小さな工夫の積み重ねが腸内環境を整え、便秘解消への近道となるでしょう。

[参考文献]
  • ・「腸すごい!医学部教授が教える最高の強化法大全」内藤裕二,文響社,2022
  • ・健康長寿ネット「健康長寿と腸と排泄の関連について」
  • ・特集 生活習慣病と消化器疾患「生活習慣と排便異常」,細田誠弥,2004

監修医プロフィール

内藤裕二先生

京都府立医科大学大学院
医学研究科 教授
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